新(珍)ランニングスタイル<その1> 「暗闇ランニングのススメ」  ~JTBスポーツステーション サンデー版~

激烈なエントリー競争をくぐり抜け「長野マラソン」に参加された皆さん、結果はいかがでしたか?ちょっと高めの気温だったようですが、優勝したマチャリア選手は2時間11分台で走り切ったようですね。ゲストランナーの高橋尚子さんも、「Qちゃんスマイル」を振りまいていました。彼女の走っている姿を見ると、本当に走るって楽しそうだと感じます。4月26日には「とくしまマラソン」も控えています。ランニングブームはまだまだ続きそうですが、Qちゃんではないですが、スポーツは本来楽しいもの、プロでない私たちは楽しくてナンボだと思います。そこで、楽しいスポーツライフを過ごすための新しい提案??ちょっとしたひねり??をこれから連載していきます。第1弾として、胸から血を流しつつも飲み続ける男・M氏からの「暗闇ランニングのススメ」をご紹介します。

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4月は何かを新しくスタートするにはピッタリな時期ですね。これを機に、新たにジョギングを始めた方や再チャレンジした方もおられることでしょう。そこに必ずついてくる問題が「マンネリ」という大きな壁。
そこで、今日は、ジョギング暦20年の私が、特別に「誰にも教えたくないマンネリ解消法」を伝授させていただきます。これがハウツー本なら「もうマンネリなんてこわくない」とか「驚きのマンネリ解消術」・・・・というところでしょうか?
さて、今話題(?)の「暗闇ランニング」とは・・・
その名のとおり、夜にジョギングするだけです。ところが、ところが、これが決して侮れません。まずは、成功のための前提条件からお教えしましょう。
①走りなれたコースを選ぶ。なるべく街灯も無い暗いコースがベター。
この「暗闇ジョギング」は、死と隣りあわせとなるサバイバルランニングですので、必ず走りなれたコースを選ばないと危険です。
②折り返し地点で、ちょうど真っ暗になる時間を選ん走ること。
前半はいつもと同じジョギングですが、暮れゆく雰囲気の中、これからはじまるスリルと冒険に、嫌でも気持ちが盛り上がります。寂しげなBGMがあれば、さらに効果的です。

では、いよいよ折り返し地点、「暗闇ランニング」をはじめましょう!
 すっかり日が落ち、街灯も無いジョギングコースでは、すれ違う人も無く、この地球にいるのは自分一人だけ、『世界は俺の手の中に!』という気分です。
真っ暗闇の中を黙々と走り続け、前半の疲れも出はじめた頃、遥か遠くに光るものが・・・二つの怪しげな光が見えてきます。一瞬にして『オオカミにねらわれた子羊』と化した私は、なるべく足音をたてずに、息を殺しながら、ジョギングを続けます。私はこれを「忍び足ランニング」と呼んでいます。オオカミの鋭い眼光が私を捕らえて離しません。家族や子供の顔が目に浮かぶ瞬間です。ちょうどその時、背後からシュッ、シュッという足音が・・・暗闇ランニング同好会(注)の一人に違いありません。「死ぬときはこの人と一緒」という連帯感が私たちを一瞬にして結びつけます。彼は、声もかけずに、もの凄いスピードで私を追い抜いていきます。オオカミなんて怖くない!まさにブレーブランナ-、世紀のヒーロー、「置いていかないで~」という気持ちにさせてくれます。その間にもオオカミは確実に私たちに近づいてきます。そして、すでに私の目からはうっすらとしか見えなくなったブレーブランナ-にオオカミが接近!!!「この道、このままずっと車で抜けれますか?」
いまだ体の震えがとまらないまま、ジョギングを続ける私の背後から、新たなランナ-の足音が聞こえてきます。きっと暗闇ランニング同好会の一人(注2参照)、しかも、かなりのハイペース、恐らく本物のランナーです。ところが、いつまでたっても私を追い抜いていきません。ジョギングは紳士のスポーツ、ひょっとして前にいる私に遠慮しているのかも・・・あえて追い抜きやすいようにペースを落とし、すこし脇に寄ってみます。追い抜かれるときには、余裕を見せながら「ファイト!!」と声をかけてみよう。ところが、いつまでたっても、本物ランナーは私を追い抜く気配がありません。むしろ奴は本物のジェントルマンなのか?今度は、思い切ってペースを上げてみます。するとヤツも確実に同じようにペースをあげ、同じ間隔を保ってきます。
ん?これはおかしい・・・ヤツは『雇われヒットマン』に違いありません。「何か見てはならない事件でも目撃したのか」記憶を辿ります。「私は無実だ!」と叫びたいが、恐怖で声もでません。また、家族の顔が浮かびます。「今までありがとう。幸せな人生でした。」と心の中で念じます。いやいや、まだまだ二人の子供を残して、こんなところで朽ち果てるわけにはいきません。「そうだ、もう少し行けば確か民家があったはず。さすがにやつもそこでは手を出せまい!」急加速をします。当然奴もペースをあげます。一か八か、普段は通り過ぎる曲がり角を右折、民家のあるエリアまで猛ダッシュ!
チャンスを失ったヒットマンはもう見えません。私はヒットマンに勝ったんだあ。

しかし、生きている喜びを感じたのも束の間、いつの間にか全く知らない道を走っている自分。周りは真っ暗、しかも、どんどん山の中に入っているような気がします。明日の朝刊に躍る「ジョギング中の男性行方不明。謎の失踪」という一面記事が目に浮かびます。ヒットマンとの激しい死闘を終えた私には、今来た道を引き返す体力も気力も残されていません。それに、オオカミやヒットマンが戻っているかもしれない。もう前に進むしかありません。
信じる者は救われます。神は私を見捨てなかった。向こうに見慣れた(注:通いなれたではありません)ラブホテルのネオンが・・・一瞬にして『奇跡の生還者』となった私。ゴール地点には、すでに聞きつけたテレビや雑誌のカメラマンが私を待っているかもしれません。さわやかな笑顔でゴールしなければ・・・
 そして、今日のトレーニングは、無事に終了します。もうどのくらい走ったのか、どこを走ったのかさえわからなくなっています。
 いかがでしたでしょうか?恐らくこれを読まれた貴方は、もう今日の夜が待ち遠しくて仕方ないはずです。もうマンネリなんてありえません
注1:暗闇でのジョギングは、走るだけでも危険が伴います。くれぐれも熟知したジョギングコースをお選びください。それとほんの少しばかりの想像力をお忘れなく。
 注2:暗闇ランニング愛好者は、全国に数万人規模で存在すると思われますが、現在公の同好会組織派は存在しません。

明るい沖縄の空の下で
暗闇ではないですが、明るい沖縄の空の下で・・・(写真はイメージです。)

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いかがでしたでしょうか?ちなみにM氏は関西地区のN県在住です。送別会で行ったぶっ通しの飲み会を「送別会マラソン」と自ら銘打ち、先頭集団で走りきったM氏らしいイマジネーション溢れる新しいランニングスタイルの紹介でした。今後もスポーツを愛する皆様が拡大するよう、お役に立つ?新しいスポーツの楽しみ方をご紹介していきます。